2012年2月15日水曜日

コロラド州にアスペンという高名なスキーリゾートがあります。夏は避暑地としても有名で、ロッキー山脈の真ん中の海抜2,400メートル以上ある小さな町です。ご存じの方も多いと思われます。

そこから約30分程度、山を下ったところに私の牧場があります。日本とは土地のスケール感が全然違うので比較はできませんが、土地の広さはゴルフ場が2つできるくらいあります。近頃は牧場より自然保全とか文化的活動に皆さんの目が行きます。そんな傾向も受けて、私はこの牧場に現代画の美術館をつくり一般公開しています。

美術館というにはスケールが小さく、展示スペースは約500坪程度ですが、アメリカを代表する1960年代の作家、ジャスパー・ジョーンズの作品を展示しています。美術史上、1960年代がアメリカが美術の最高峰を誇り、現代画のジャンルで世界に誇る作品を残した時代でした。その中で、ジャスパー・ジョーンズは多くの人がナンバー1と認めると言っても過言ではありません。

アメリカでも田舎に行くと、美術品に出会う機会がとても少なくなります。学校行政も予算がないと、美術の先生をカットします。私は、子供がお絵書きの時間や一流作家の作品にふれるのが非常に大切だと信じています。

この小さな美術館では、子供たちの情操教育にいくらかでもプラスにならないかとの望みを抱いています。一階の展示場では、地域の子供の作品展をやり、それを見に来る子供たちが2階の作品もみて、高名な画家の作品に馴染んでほしいと思います。40余年間、私に豊かで幸せな生活を過ごさせてくれたアメリカに、ほんの少しでいいから何かしたい気持ちを表せたらいいとの願いを込めているところです。