2016年4月22日金曜日

国立新美術館で、三宅一生展が開かれています。
三宅氏は、1960年代にパリでジバンシィの弟子として服装デザイナーの道をスタートさせ、70年中には日本で作品を販売する店を開店していました。
私が一生デザインの洋服を身につけるようになったのはそのころです。

三宅氏は、洋服は体を包む彫刻と考えていたと確信しています。着心地の良さよりデザインの効果が主題であったと思います。どこに着ていけるかなどの心配より、それを身に着けた時、どれだけ美しい形が作れるかが問題だったと思います。
今回の展覧会では、まさに洋服と言うよりボディを介しての布を使っての形作りを見ることになるのでしょう。そんな観点からみると、プリーツの入った布を自由自在に切って形の美しさを追求したことがよく判ります。
三宅氏は、2次元の布を3次元の洋服にワンタッチで変容することにも、彼独特の芸術性を見いだすことが出来ます。日本の伝統的「着物」もたたんで、綺麗に2次元にして箪笥に納めてしまいます。洋服もたたみかたの工夫に依って2次元にする作品が展示されています。
折りたたんだ和紙を立体に広げた照明器具も展示されています。

田中一光、横尾忠則などの作品を取り入れ、三宅氏の作品にしたものも見ることが出来ます。コラボレーションとして、他のアーティストのモチーフを用いて、三宅氏の作品として生かされています。
今回の展覧会のオープニングに際し、三宅氏はフランス国が与える最高の勲章「レジオンドヌール勲章」を授与されました。